溶接工程その2(ボディ組立て)



 


溶接工程で述べた「熱によるゆがみ」など、スチールよりも歪み易いアルミボディは、ここで特別な修正作業を必要とする。ドア、フェンダー、トランク、ボンネット。各パーツのチリ合わせが手作業で行われる。さらに他の工場では見られない、高根沢ならではの工程が存在していた。
 通常の工場でも修正は曲げ、位置調整で行われるが、アルミ素材には固有の特性があり、加工後に元に戻ろうとする性質があるため、スチール製ボディにはない工程が必要となる。驚くべきことに高根沢では、クラフトマンがボディを掌で触れただけで歪みを調べ上げ、修正箇所を把握し、棒ヤスリを用いて修正作業を行っていた。ヤスリ一回で削れる厚みも掴んでいて、何回くらいヤスリがけを行えばいいのかも熟知していた。
 この工程を経たホワイトボディはあらゆる修正によってヤスリがけの跡でキラキラと輝き、見ようによっては「酷く」思えるかもしれないが、その分、歪みから正しい形へ修正を行ってきたクラフトマン達が、いかにボディと向き合い、精魂をこめて次の工程へ送り出してくれたかという証であるといえるでしょう。
 「次の工程はお客様」彼らの手を離れ、次の塗装工程で塗料の幕によって二度とそれを目にする事はありませんが、彼らが注いだ情熱は今も形となって無言の主張を続けています。

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